未来のスタンダードな住宅！ZEHのメリット・デメリットとは？

近年、電気代の値上がりと共に、光熱費を大幅に削減できるZEH住宅が注目を集めています。環境にも優しいといわれているZEH住宅とは、いったいどのような住宅なのでしょうか？今回の記事では、ZEH住宅について、メリットとデメリットを交えながら紹介します。

ZEHとはどのような住宅を指す？

ZEHはゼッチと読み、”ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス”の略称です。ゼロ・エネルギーという名称からも想像できるとおり、ZEH住宅は、家庭で消費されるエネルギーと、家庭でつくられるエネルギーがプラスマイナスゼロになることを目標とした省エネ住宅を指します。国もZEH住宅の導入を奨励しており、2030年までには、新築で建てられる住宅の50％以上をZEH住宅にするという目標を掲げているのです。

家庭で消費されるエネルギーを削減

ZEH住宅では消費されるエネルギーを抑えるため、建物の高断熱化や省エネ効果の高い設備を導入しています。断熱性を上げることで、室内の温度が外気温に影響されにくくなり、冷暖房に頼らず快適に過ごすことが可能です。さらにエネルギーの収支を把握できるHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)や、省エネ性にすぐれた家電を取り入れることで、エネルギーを削減できます。

エネルギーをつくる

ZEH住宅では、エネルギーをつくり出す取り組みとして太陽光発電を導入しており、そのエネルギーを自家消費しています。自然環境を利用した再生可能エネルギーシステムは、CO2を排出することなくエネルギーをつくれるため、人や環境に優しいといえるでしょう。

ZEHのメリット

ZEH住宅で暮らすメリットはどのようなものがあるのでしょうか？

国から補助金がもらえる

国がZEH住宅を推進しているため、基準を満たしたZEH住宅には国から補助金が支給されます。2020年度の補助金額は、1戸あたり60万円と高額です。また、発電したエネルギーを蓄えるための蓄電システムを設置すると、別途補助金を受け取れます。

光熱費を抑えられる

太陽光発電でつくり出したエネルギーを自家消費することで、光熱費を抑えられます。

売電収入を得られる

発電して余った電気を電力会社が買い取ってくれる制度があるため、電気を売ることにより収入を得ることが可能です。

ヒートショックを防ぐ

ヒートショックとは、急激な気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管に悪影響を及ぼすことです。ZEH住宅は高断熱で外気温に影響されにくいため、冬でも屋内全体が暖かく、ヒートショックの予防になります。

住宅の資産価値向上

住宅の省エネ性能を評価する「BELS（建築物省エネルギー性能表示制度）」という制度があり、この制度で高評価を受けると住宅の価値が上がります。ZEH住宅は省エネに特化しているため、この制度において高評価を得られるのです。将来的に住宅売却が必要になったとき、資産価値の高いZEH住宅は、他の住宅に比べて高値で買い取ってもらえるかもしれません。

停電時も安心

ZEH住宅は太陽光で自家発電するため、停電時も電気を供給してくれます。また蓄電システムを設置し、発電したエネルギーを蓄電池に蓄えておけば、夜でも昼間に発電したエネルギーを使うことが可能です。蓄電システムの設置はZEH住宅において必須ではありません。しかし、いざというときに役に立ち、電気代の節約にもなるので、太陽光発電システムとセットで導入することをおすすめします。

ZEHのデメリット

メリットの多いZEH住宅ですが、デメリットもあります。ZEH住宅のデメリットについて、3つ説明しましょう。

コストがかかる

ZEH住宅を建てるにあたって最初に挙げられるデメリットは、コストがかかることです。ZEH住宅には高性能な断熱材や住宅設備に加え、太陽光発電も導入しなければいけません。そのため補助金を受け取れたとしても、初期費用は高額になります。光熱費の節約が可能なので、長い目で見ると、ZEH住宅の方がお得といったデータもあるようです。しかし、設備などの初期投資については認識しておいた方がよいでしょう。

太陽光発電が安定しない

太陽光を使って発電する太陽光発電は、天候によってつくられるエネルギー量が変わってきます。日射量の少ない梅雨の時季や冬などは、発電量が減ってしまうでしょう。

間取りや屋根の形が制限される可能性がある

ZEH住宅は、高断熱と太陽光発電システムの設置が必須条件です。高断熱化するには気密性を高める必要があるため、自由に間取りを選べない場合があります。また、太陽光発電システムを屋根に設置する場合、日射量や安全性の確保を考慮するため、屋根の形や向きが制限される可能性があるのです。

今回は、近年注目されているZEH住宅の特徴や、メリット・デメリットを紹介しました。初期費用が高く、太陽光の発電量が安定しないというデメリットもあります。しかし、光熱費の節約や資産価値の向上など、魅力的なメリットも多々あるのです。年中快適に過ごせ、人にも地球にも優しいZEH住宅。長期的に考えれば、ZEH住宅を検討してみる価値はあるかもしれません。